無認可の教育であっても、選べる場を作りたい

　サムエル国際キリスト教学園（SICA)は、無認可のスクールです。フリースクールではなく、文科省の定める授業時間に準拠した時間割で学んでいます。テストも宿題も中学生なら定期考査もあります。
　クラスは、２学年で学ぶ複式学級です。それそれのテンポで学べるように工夫しています。また、小学校１年生から中学３年生までの縦割りによるプロジェクト学習の時間もあります。
　小学生と中学生は、学区域の公立学校に在籍したうえで、当学園で毎日学んでいます。このために、地域の教育の理解と助けをいただいています。

子どもの価値を信じる場にしたい

　子どもに限らず、人の価値をだれが決めるのか、それは教育の目的に深くかかわってきます。社会が決めるなら、社会に役に立つ人が価値があるとされ、それに向かって教育は行われます。
　聖書では、イエス・キリストが「子どもたちをわたしのところに来させなさい」と言って、名も記されない小さな子どもを抱きしめる場面があります。人は天地を創造された神によって一人一人がデザインされているというのが、私たちの信じている人間観です。
　能力によって人の価値を決めるのではないことを、何とかつらぬいていきたいと願っています。

自立のためにいっしょにいたい

　自分のことを自分で決めるのは、当たり前のようで難しいことです。社会人になって急に自分のことは自分でやれと言われてどうするか、その時に逃げないで動ける人になっていく。そのためには、小学生の学び方から、自分で決めていくことを大切にしようとする大人がそばにいることが必要です。人と一緒に決めていく力もそういうコミュニケーションの積み重ねによってついていきます。
　生徒同士も教師とも学びあえる場にしたいと願っています。